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風の音感じて夏はすぐそこに君を見つめて空青くなる


幻のキスは透明人間のいたずらっぽい後味がした


小雨降る日は君とまた逢えるかと愛染坂を下っています


ショートした恋に言い訳するように真夏の電気ストーブ消えた


例えれば君が齧っているトマトみたいな色に染まった気持ち


疲れてる君にぼんやり声かけた「それじゃあ蛍でも見に行こう」


純粋にちゃんと狂っている恋の削ったカスを集めてばかり


どことなく寂しく見える夕暮れがむしろ嬉しい君との時間


ありふれたたったひとつを細切れにしながら僕ら互いを探す


サーカスの夜みたいだね何もないけれども星と君とブランコ

 

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