top of page

14

 

君のその卑怯なほどの手作りのハンバーグにも恋をしている


コーヒーを混ぜるみたいに単純なことだとしても恋は手強い


ひとつだけ足りないパズルふたりして朝までずっと探した記憶


本当に破けたような音がして手を当てながら確かめた胸


ぎこちない感じが少し何だかなって思いつつ抱きあっている


体重を少しこちらに掛けてくる時の体温なんかが妙で


降りそうで降らない雨を待ちながら相合傘のイメトレをする


星屑の軌道のような線に沿い君の近くを通過していた


外に出てキョロキョロとして何となく空に見とれたそんなゴミの日


君がいた夏を忘れたこの頃に季節はずれのアゲハが飛んだ
 

bottom of page