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涙
もう一度君に会いたいと思って
あの夏の日と同じ列車に飛び乗ってみた
思い出の中の君は確かにここで
眠たげな目をこすり窓ガラスにもたれた
記憶は少しすつ形をかえてゆき
きれいな場面ばかり余計に思い出させる
そして僕はひとりになる
あの日僕らが見ていた空の色は
今もどんな空よりも青く
手に届きそうだった太陽が
不思議だね涙にかわってゆく
屋根も壁もない小さな駅なホームで
陽炎が揺れているレールを見送りながら
枕木の上に止まったオニヤンマを
見つけたけれど君に教えることも出来ない
現実は誰もが避けきれない物語
ドラマみたいな奇跡起こせはしないけれども
小説よりも切ないね
あの日僕らが出会ったあの場所へ
誰かとまた行きたいと思う
やっと初めて素直に笑えたのに
不思議だね涙がこぼれ落ちた
時間はゆっくりとページをめくってくれる
そうやって少しずつ僕も強くなるのかな
見上げれば七夕の夜
あの日僕らが見ていた空の色は
今もどんな空よりも青く
手に届きそうだった太陽が
不思議だね涙にかわってゆく
水たまり小さな雫が落ちた
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