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もらい煙草
とっくにやめた煙草を今でも
持ち歩いているのは
せこいあいつが私の煙草を
いつでも欲しがるからさ
わりと良い男だと思ってた
私がつまり馬鹿だった
やめられない煙草とおんなじで
手の届く場所に
いつでも置いている
火をつけてくゆらせて
あとは灰になるだけ
くわえても束の間の
あいつのもらい煙草
コーヒーと煙草だけが二人を
テーブルに繋ぎ止める
昔は嫌だと言ってたくせに
平気で吸うメンソール
わりとお似合いだねと思ってた
私がほんと甘かった
使い捨てのライターみたいにさ
手離した場所に
置き忘れられてる
火をつけてぼんやりと
漂う煙見つめ
指先で遊ばれる
私はもらい煙草
火をつけて抱きしめて
二人ハイになるまで
口うつし繰り返す
落ちそうなくわえ煙草
火をつけてくゆらせて
あとは灰になるだけ
くわえても束の間の
あいつのもらい煙草
私があげた煙草
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