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ミルク雨

 

今日は少しだけ 早く帰るから
駅前のお店でパスタでも買って帰ろう

ぺペロンチーノが本当は好きだけど
君にあわせてカルボナーラ作ろう

いつも待たせてばかり 待たせて
だから今日ぐらい
キッチンに立ち 冷蔵庫開けたけど
「何取るんだっけ?」

窓の外はもう暗くなってる
ふと気付けば 雨が窓を叩いてる

五月の平日は吟遊詩人の
詠う歌みたい とつとつ とつとつ

傘をぶらさげ 君を駅まで
迎えに行こうと
玄関に立ち ドアをそっと開けたら
君が立ってた
「おかえり」

うまくいかないことも多いけど
それでいいやと思えたきたんだ
あれが無い これが欲しいじゃなくて
いつも いつも

ところでひとつ聞きたいんだけど
もしかしてミルク切らしてた?
窓の外はもう 夜色になり
影絵の様な窓ガラス
二人をつつむ雨の音

 

とても静かな夜ですね

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