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16歳
バス停の前で
終わらない話をしてた
あの頃はまだ遠い
未来を見つめてた
それそれの夢や
もどかしい優しい気持ち
愛なんて何も知らずに
好きでいられたね
16歳の世界はとても狭くて
手を繋ぎたくて
不器用に触れた指先
あのバスにまた乗って
あの町へ行こうかな
タイムマシンはなくても
また君に会えるはず
記憶の地図を辿り
あの角を曲がれば
懐かしい風の匂いと
振り返る君がいる
ほろ苦い
駅前のビルは
もう姿を変えている
ガレージに置き忘れてた
思い出探しても
夜になる前の
僅かなオレンジ色が
この胸を締めつけるんだ
今も同じさ
16歳の心はとても脆くて
信じたいものが
信じられなかったけど
また会えたなら何を
捧げればいいんだろう
大人になったつもりが
どうしようもない馬鹿だよ
記憶の地図をなくし
立ち止まる十字路で
あの時と同じ風に
吹かれながら君を待つ
うつむいた
16歳の二人はとても強くて
傷ついた心
捨てないで歩いた
またあのバスに乗って
この町を離れて
それぞれの明日
それぞれの街の中で息をする
夕暮れの帰り道いつも
さよならが言えずに
遠くを見てたあの空に
君の呼ぶ声が
聞こえる
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